野間池とイシダイ釣りが好きで好きでたまらない名手、野田博實さん。すぐにでも竿が出せるよう、自宅から1時間ほど離れた野間池港近くに家を借り、長年そこを拠点とし、惚れ込んだ海へ一途に通っています。
仕事がない日、シケ以外の日は、ほぼ磯へ足を運んでいると言っても過言ではない熱血漢は、今年で74歳を迎えます。しかし月刊石鯛俱楽部で取材させて頂いた12年前と変わらず、バイタリティに満ち溢れています。
『昔は釣果を上げたくてたまりませんでしたが、今は余裕が出てきてイシダイ釣りができるだけで幸せです』
そう語る熟達者は、2008年に71㎝8.3㎏の本イシと73㎝5.7㎏のクチジロを愛する野間池の海で仕留められています。
野田さんから春シーズンの釣果写真の一部が届きました(エサはすべて赤貝)。
4月20日良型3枚(ヘタの加瀬A、Cとシズミ瀬)、25日オスとメス2枚(ヘタの加瀬A)、28日銀ワサ1枚(ヘタの加瀬A)、5月4日63㎝4.3㎏のデカバン銀ワサ(ヘタの加瀬A)、10日5枚(ヘタの加瀬C)、17日4枚(シズミ瀬)です。
4月20日 3枚 ヘタの加瀬A(タナ15)、C(タナ9) シズミ瀬(タナ11)
25日 2枚 ヘタの加瀬A(タナ13)
28日 1枚 ヘタの加瀬A(タナ13)
5月4日 1枚63㎝4.3㎏ ヘタの加瀬A(タナ15)
5月10日 5枚 ヘタの加瀬C(タナ9~10)
5月17日 4枚 シズミ瀬(タナ13)
野田さんは、基本的に手持ちで構え、足元中心を狙います。そして一度本命らしいアタリがあると、時合いを逃さない集中力で一気に勝負に出て、素早い手返しで次々にアタリをものにします。
毎年、野田さんは春磯で赤貝を多用し、6月頃からはアシハラガニをメインに使います。
共に、魚との微妙なかけ引きを楽しむ野田さんの釣りに合った最適なエサです。
中でもアシハラガニへの思い入れは特別です。
『イシダイ釣りを始めた50年近く前は、カニエサしかなかったです。師匠からはまず釣りよりも、カニの捕り方から習いました。冬は冬眠しているので、掘って捕まえていました』
カニエサの魅力を聞くと『カニは手持ちでカベ釣りをする際、とても面白いんです』とのこと。
野間池は足元から切れ落ちている瀬が多く、まさに野田さんの釣りスタイルに適したエサなのです。
『エサをアピールしてアタリを探り、反応があったら送ったり誘ったり、装着法を替えたりと、状況に合わせた対応が大切です』と釣り方のコツを教えてくださいました。
基本的な装着法はイラストの通り。共通点はハリ先が出ていること。
ハリ先が硬いツメや甲羅で隠れていると、刺さり難くて口の中で滑ってしまいしっかりハリ掛かりしないとのことでした。ハリがムキ出しでも喰いには影響はないそうです。
そんな野田さんに2年ほど前から最強の助っ人が現れました。それは石師魂エサホルダーです。
アシハラガニ、赤貝を主に使う野田さんは、エサホルダーに出会う前は、数珠掛けしたエサには、ズレ防止を施していませんでした。
それでも、巧みなワザでこれまで多くの実績を作ってきました。
とは言え、エサホルダーをセットするようになって、ハリ掛かりの確率がアップし、イエローのアピール力を痛感しているとのこと。
手持ちでエサをいかにアピールするかを常に心掛けている野田さんにとって、目からウロコのアイテムだったそうです。
エサホルダーだけではなく、宙釣りゴムテンビンも手放せないと、愛用されています。
石師魂アイテムを使用するようになってから本命のアタリを取る回数が増えたため、周りの仲間たちにも勧めているそうです。そして釣果が上がったとの声が次々に寄せられ、大いに重宝がられているとのことでした。
アシハラガニの季節がいよいよやってきました。今シーズンも宙釣りの名手が、どんな釣りを見せてくれるのか、とっても楽しみです。
(石師魂プロダクトディレクター/武富)