釣行日:令和4年11月14日
昨年夏から始めた私のクチジロへの挑戦は2シーズン目に突入しました。
狙いのエリアは高知県の足摺岬周辺、黒潮の影響を強く受ける四国最南端の地、ここ数年はその黒潮も大蛇行により離れて久しいですが、それでも良型イシガキから大型クチジロまでの実績は現在進行形で続いています。
釣行数日前の事、先輩からお誘いの電話が掛かりました。急遽の予定に何とか都合をつけ、当日を迎えます。日付の変わるころに自宅を出発し、向かった場所は【足摺・伊佐】
いつもお世話になっている岡野渡船に乗り込み、目指す磯は名礁【クロハエ】です。
6:45 無事に渡礁完了、私の希望するポイントを快く譲ってもらい、荷物を運び釣り座を構えます。クチジロ狙いは完全置き竿での勝負なので、ピトンをしっかりと固定します。
次にタックルを組み、仕掛けのセットです。今回も使用するのは石師魂の【ナマリクッションゴム・ホワイト】に【自在スイベル】を取り付けた【宙釣りゴムテンビン】の白バージョン、その下には【寄せ玉ゴム大】そしてハリスワイヤーとコークスクリューサルカンの接続部には【ラセンホルダー大】をセット(共にケイムラブルー)現在の私にとっては完成形となっている組み合わせの仕掛けです。
準備を済ませてガンガゼをツケエに第1投。潮は微かに上り方向に流れています。
前日は悪天候のため釣り人もエサも入っていませんが、ここは超が付くほどのA級磯、当然の事ながら朝の数投は厳戒態勢で臨みます。
しかし期待に反し石物らしきアタリはありません。マキエに持参したガンガゼの冷凍ブロックを投入しながら、打ち返しを続けますが状況は好転せず、無情にも時間だけが過ぎていきます。
13:00を過ぎた頃、潮を読んで釣り座を移動していた先輩から「納竿は何時にする?」と電話が掛かりましたが、「最終の15時まで頑張ります」と答え、打ち返しを続けます。
ちょうどその頃私のポイントでは、少しだけ魚の活性が上がったのを感じていました。
ですが相変わらず潮は微妙に動いている程度です。
時間的に最後のタイミングと考え、30個ほどのガンガゼを潰してマキエとし、間隔をあけながら撒いていきます。そしてもう一度、下層から上層までを10号オモリの宙ぶらりん状態で探っていき、ようやく石物のアタリを捉えます。徐々に上へ上へと誘い上げていくと水深約6mの浅ダナでヒット。40cmを少し超える程度のメスの石鯛がハリ掛かりしますが、ブリ上げ失敗で自動リリースしてしまいます。なんとなく嫌なムードですが「しゃーない。小さいし。次行こう。」と、気持ちを切り替え、マキエが効いているであろうタナに打ち返します。
14:00を過ぎ、少しずつ片付けの準備をしながらも穂先に目をやります。
3本のハリスワイヤーにガンガゼをセットした残りはあと1つ、ふと見ると置き竿の穂先が少しだけ曲がっています「んっ?」と思うと同時にゆっくりとでもなく、一気にでもなく、スーっと竿が根元まで曲がり込み、ドラグが異常な速さで滑り出しました。
強烈な力で真下に突っ込む魚。竿を起こして竿尻を外し全力でタメますが、すぐには止まってくれません。1度目の締め込みに耐え、なんとかリールを巻きますが、竿が全く戻ってこず、力を振り絞って魚を引っ張ります。2度目の締め込みは右下方向に、3度目はほぼ右方向に手加減なしで突っ走ります。この動きに一瞬アオブダイが頭をよぎりましたが、ここは【クロハエ】。
魚の姿を見るまでは油断も諦めもありません。
無我夢中でやり取りし、数分の時間が経過した頃、サラシの中から現れたのは、白い顔の黒い魚「やった!クチジロだ!」
素早く下段に降りてくれた先輩のヘルプで、あっという間に取り込み成功。
「おめでとう!やったな!」の言葉と握手。待ち焦がれた瞬間に私は手も足も震えています。
帰港後の計測では【66cm・6.0㎏】でした。一人前のクチジロサイズ70cm・7㎏超えとはいきませんでしたが、どうしても釣りたい一心で追いかけた1枚に、感動と同時にホッとした気持ちになりました。
今回のように【中層】に仕掛けをぶら下げて釣る場合でも、アタリの出やすい仕掛けの角度と直線性が重要であると私は考えています。そのため【宙釣りゴムテンビン】の形状と【ラセンホルダー】のホールド性が効果を発揮する場面であると確信しています。
さらなる大物を追う今後においても、自信をもって石師魂シリーズで挑みたいと思います。
最後になりますが、私をこのクチジロまで繋いでくれた先輩と、新参者の私を温かく迎え入れてくれた足摺エリアの常連底物師の皆様に、感謝を申し上げます。
【チーム黒流】所属