各地で大型石鯛の釣果が聞こえ始めた5月14日、四国は愛媛県武者泊にて釣行した。
前日夜20時頃に自宅のある香川県高松市を出発。途中釣具店にて餌を購入し0時ごろ武者泊の港に到着。餌の貝を割り準備を済ませた後、期待に胸を膨らませながら眠りにつく。
愛媛県と大分県の間にある豊後水道に位置するこのエリアは、非常に潮流が速く海中の栄養素が豊富であるためか、魚が大きく育ち魚影も濃い。底物、上物問わず、昔から人気の高いエリアである。武者泊だけで渡船は6隻営業しており、それぞれの渡船で地の磯、沖の磯等得意なエリアがある。また、最初に着ける磯が他の渡船と被った場合はじゃんけんで決める。
出船時間となり、いつもお世話になっているなぎさ渡船に乗り込む。船は武者泊港を出発し、沖の磯へ向かって走り出す。
幸い本日は他の渡船が出船しておらず名礁「ヤッカン」、「アブセ」を独占できる状況にあった。船長と相談し「ヤッカン北の船着き」に渡礁する。
渡礁後、すぐに撒き餌で赤貝の荒割りをポイントへ投入してみる。普段激流が走る磯だが、本日は小潮ということもありそこまでの潮流はない。ただ、足元から右へ潮は流れている。
仕掛けを作り、20号のオモリを付け足元へ投入。20号では仕掛けが止まらず、すぐ30号に変更。餌は、撒き餌も兼ねている赤貝の荒割り、サザエ、瀬戸貝を準備している。赤貝・サザエで様子を伺い、本命の雰囲気を感じたら瀬戸貝で仕留めるというのをイメージしている。
釣り開始から2時間程はエサ取りらしきアタリのみで本命の雰囲気はなかった。その後干潮の潮止まり前、潮流に変化があり当ててくる潮となった。
ここをチャンスと仕掛けを投入し、竿先に集中する。コツコツと竿先を叩いた後、グーッと押さえ込むようなアタリが出る。本命と確信しラインを送りこむ。しかし一気に走り切らず、アタリが停止する。
その数分後、モゾモゾと餌を触った後に勢いよく走った。
すかさずアワセを入れ戦闘態勢に入る。浮いてきたのは45㎝程の雌の石鯛であった。
その後もパラパラと撒き餌をしながら、赤貝を付け仕掛けを投入していく。
潮は足元から左になかなかのスピードで流れていた。餌は取られるが本命らしきアタリはなくなっていた。
すると、一瞬フワッと潮流が緩んだのを感じた。
餌を瀬戸貝に変えすぐさま投入。ゴン、ゴンと重量感のあるアタリが出た後、一気に走る。手ごたえは十分。
今度は50㎝程の銀ワサが浮いてきた。
改めて潮を読むことの大切さ、またワンチャンスを逃さない仕掛けの重要性を実感した。
今年はシーズン当初から釣果に恵まれず連敗続きであったが、本日はその悪い雰囲気を吹き飛ばす最高の一日であった。
レポート:荒井勇輝(https://www.instagram.com/yuki_bottom_fish/)