釣果レポート Fild report

真冬にお守りのバフンウニでド感動のクチジロ!

                 レポーター:荒井勇輝
                釣り場:高知県 足摺岬伊佐 オオバンドウ
               

高知県土佐清水市の足摺岬は四国最南端に位置し、黒潮の影響から比較的年中高い海水温を保っています。そのため魚影が濃く、また魚種も豊富で、磯で釣りをしていると思わぬ大物が掛かることも多くあります。

 

水面ではキビナゴ等の小魚をダツが捕食し、それをまた1mをゆうに超えるシイラがバシャバシャと水飛沫を上げながら捕食しています。近くでは3m程のサメが目をギラつかせていることもあります。

リアルな食物連鎖が目の前で繰り広げられているこの足摺岬は、釣り人にとって血がたぎり、心が躍るフィールドではないでしょうか。

 

2022年2月11日 自宅のある香川県から足摺岬へ車を走らせます。

足摺岬の磯は、「伊佐」と「松尾」2つのエリアに分かれており、伊佐エリアでは2つの渡船屋さんが磯渡しを行っています。今回中澤渡船さんにお世話になり、目的の磯に向け6時30分に伊佐漁港を出船します。

 

15分程でこの日の磯、「オオバンドウ」に到着しました。この「オオバンドウ」は、底物の超A級磯「クロハエ」のやや西側に位置します。実際に渡礁するのは初めてで、狙うポイントを船長に教えて頂きます。数日前に自宅で作成した石師魂の瀬ズレ仕掛けをセットします。

 

 

使用アイテムは、「石師魂ゴムパイプスティック」に「石師魂自在スイベルスナップ付き」を通したテンビン、魚を寄せ、またテンビンの食い込みを防ぐ「石師魂寄せ玉ゴム大」を付け、その下に「石師魂ジョイントホルダー」をとりつけています。針は「牙突石鯛15号」を使用しました。

 

私が愛用する石師魂仕掛けです。イエロー効果でエサを強烈にアピールできるため、大いに効果が上がっています。テンビンは、ゴムパイプスティックに自在スイベル(スナップ付)をセットしたものです。

 

 

船長の教え通りに船着きに釣り座を構え、南向きに竿を出します。この日は2月半ばということでまだ餌取りも少ないだろうと、瀬戸貝(イガイ)を投入してみます。

すると1投目、仕掛けが底についてから5秒と持ちません。そのまま何度か瀬戸貝を投入してみましたが瞬時に餌をとられます。針掛かりする気配もありません。

 

低水温期に頼りになる瀬戸貝ですが、当日はあっという間になくなってしまいました。

 

餌をガンガゼに変えてみます。ガンガゼは瀬戸貝に比べると餌持ちがよく、石鯛の食い込みもよいことが特徴です。ガンガゼに変えてもアタリは続き、竿先をバンバン叩いています。その後2回竿が舞い込み、30㎝程のイシガキダイを2枚釣りあげました。船長の話では、近年の海水温上昇の影響からなのか、今年は小さなイシガキダイが異常発生しているとのことでした。

 

その後は小さなアタリはあるものの、餌を取られるだけで大きなアタリはない状況が続きました。餌を瀬戸貝に戻してみると、開始直後と変わらず5秒と持ちませんでした。

 

上礁したオオバンドウの釣り座です。港から15分ほどの瀬でクチジロが狙える伊佐一帯は、とても魅力的な釣り場です。

 

納竿時間が近づいてきた13時過ぎ、どうするか悩んだ末、お守りとして持参していたバフンウニを使用してみました。バフンウニはガンガゼに比べ殻が硬く、餌取りの猛攻に耐えられるのではないかと考えました。もちろんズレ防止に石師魂エサホルダーをセットしました。

 

お守りとして持参していたバフンウニ。意外や意外、このエサのお陰でホワイトマスクを手にできたのです。春シーズンは水温が安定していず瀬によってエサ取りの状況が変わってくるため、数種類のエサを準備した方がいいと改めて再認識しました。

クチジロを喰わせたバフンウニの2個掛け。

 

バフンウニ投入後、先ほどまでのアタリがぱったりと止みました。「やはりまだバフンウニは時期的に早すぎたのか」と考えながら、5分程待ちました。

ポイントは仕掛けを打ち返していた、7~8m投げて落ち着いたカウンター21地点です。

 

しばらくすると、「ガツガツ」と大きなアタリ。竿もかなり曲がりましたが戻ってきました。そして少し待つと「グーン」と竿が舞い込みました。

すぐに竿受けから竿を外し、あわせを入れます。とてつもない突っ込みで竿をなかなか起こせません。何とかこらえて竿を起こしましたが、その後何度も根の方に突っ込みます。根に道糸が触れないよう気をつけ巻き上げていきます。浮いてきた白い口をした魚を見た瞬間、「これがクチジロか!」と感動しました。

 

港に帰り計測をすると、体長65㎝、重さは5.4㎏でした。船長も「今シーズン1番の大物!写真を撮ろう!」と、撮影会が始まりました。

 

クチジロの口元に牙突石鯛15号とエサホルダー。クチジロ狙いにハリ15号は大きいサイズとはいえませんが、貫通力抜群のハリ先と広いフトコロが獲物をしっかりキープし、無事磯上に上げることができました。

ずっしりと重い65㎝5.4㎏のクチジロ。憧れていた魚だけに感動と充足感に包まれ、イシダイ釣りをやっていて良かったと心底思いました。

 

 今回、ガンガゼがメインでしたが、私はいつも「石師魂ウニバッカン」を使用しています。ガンガゼは日差しが強い日だと一日に数回水を替えないと弱ってしまいます。

ただ、足場の悪い磯で何度も水を替えるのはなかなかの作業です。本製品の特徴である水切り口付きの蓋はその苦労を軽減するものです。面倒くさがりの私でもあまり億劫に感じることなく頻繁に水を替えています。

私の必須アイテムのひとつ石師魂ウニバッカン。水替えが楽なのと、ガンガゼのケンを切れば余裕で100個入るのでとても重宝しています。

 

 ここまで偉そうに書いてきましたが、実は私は2020年秋に底物釣りを始めました。もともと上物(グレ)釣りをやっていましたが、ある日同じ渡船に乗っていた方に釣りあげた大きな石鯛を見せて頂き、「かっこいい!この魚を釣ってみたい!」と思ったのがきっかけです。

 

ただ、いざ始めようにも周りに底物釣りをしている知り合いがおらず、タックルや必要な道具はネットで検索しました。

実は上物釣りをしている時から、「底物は難易度が高く、また非常にお金も掛かるため敷居が高い釣りだ」と思い込んでいました。

 

しかしいざ調べてみると、「難易度が高いのは上物も同じであるし、難しい釣りの方がより面白い」と思い、費用についても道具、餌代は上物とそう変わらないことに気が付きました。

 

また、底物用の竿やリールに関しては非常にしっかりとした作りで、中古の物でも十分に使用することができます。必要な道具を一通り揃え底物釣りを始めましたが、やはりどの釣りにも細かな注意点があります。

 

例えば、仕掛け(テンビン)の種類、餌の付け方、根掛かりの対処法等です。実際の釣り方についてはYouTubeや釣り雑誌から学びましたが、その際に他の釣りに比べて底物釣りに関するコンテンツが少ないと感じました。

 

そのような中、「ウキのキザクラ公式チャンネル」で石師魂プロダクトディレクターの武富さんが解説されている「イシダイ釣り入門のススメ」は私にとって非常にありがたいものでした。

 

 今後世の中にこのようなコンテンツが充実することで、釣り人口が増え、底物釣り業界が

より活気づいていくことを願っています。

 

レポート:荒井勇輝(https://www.instagram.com/yuki_bottom_fish/