釣果レポート Fild report

イシダイの力強さに惚れ直した2022年 大好きな底物釣りの旅は続く! 

                 レポーター:上園 歩美
                釣り場:鹿児島県大隅半島佐多岬 タチキリ
               

初めてイシダイに出会ってから、まもなく10年が過ぎる。イシダイに例えるなら、当時の私はサンバソウ。イシダイの『イ』の字も知らない小娘だった。

 

エサは、ウニ!という、なんともユニークなイシダイ釣り。グレ釣りに夢中だった私が、唯一、グレ竿を置いてでもやってみたい!と思った、釣りだった。

 

私を完全に魔性の世界に引きずり込んだ60㎝の銀ワサ。記念となった銀ワサは、嬉しいことに「月刊石鯛倶楽部(2016年8月号)」の表紙になり、さらに釣行レポートをカラーページに掲載させて頂きました。今号は、私の宝物として大切に取っています。

 

きっかけは、鹿児島県南さつま市の秋目漁港に集う釣り人たち。気さくに話しかけてくれて、自慢の釣果を見せてくれる。

【クチバシのあるギラギラした紫色の大きな魚】それが、私が初めてみたイシダイの印象だった。
実は、その時はまだ、イシダイにシマ模様があるなんて知らなかった。きっと初めてみたイシダイが、相当大きかったんだろう。
秋目の釣り人は、大層オーバーリアクションな私に、自慢の古竿を譲ってくれた。私がイシダイ釣りを始めたのは、そんなきっかけだった。

 

高級魚として知られるイシダイ。
釣り人にはイシガキダイと共に「石物」と呼ばれ、特別に扱われている。その寿命は他を圧倒するほど長く、大きくなるにはかなりの時間がかかる。一説には60㎝クラスは20年ほど生きているらしい。

 


性格は好奇心旺盛だが慎重で、力はとても強い。その魅力に気づくのに時間はかからなかった。そうやってハマった底物釣りを、私は今でも続けている。

力強いパワーはもちろん、この凛々しく風格のある面構えにとてもまいっています。

 

6月9日(若潮、干潮8時27分)、今年三度目のイシダイ狙いの釣行。目指すは、南大隅町佐多の一級ポイント「タチキリ」。

正直、大隅半島での釣りはあまり経験がない。したがって、この日は少しテンションも高め。

エサはガンガゼ。60個を馴染みの釣り具屋で購入。水温が高いことから、エサ取りも多いと見越して、いつもより多めに持ってきた。

 

仕掛けは愛用の石師魂瀬ズレ宙釣りゴムテンビン49本ヨリワイヤー仕掛け(#45ハリ16号)、それに手放せないエサホルダー。これがあると安心してどんなエサでも装着できます。

 


さて、佐多の磯はどうだろう。どんな魚がいるのだろう。朝の空気と非日常のワクワクした気持ちが私は大好きだ。

 

 

朝は、肝心。一日の気持ちを大きく左右する。

アタリがあるか?根掛かりしやすいか?それらしい気配があるか?

いずれにせよ、イシダイ釣りは頭を使う。さて、日が昇ったら試合開始だ。

 

仕掛けを投入。早い時間はエサ取りが多かった。仕掛けが着底する頃、もうガンガゼはない。『コツリ』という軽やかなオモリの音だけが、竿を伝って手元に届く。

オモリと糸と竿と私。一本に繋がる時間。そこにやってくる獲物を、私は決して逃しやしない。

 

 

そしてその瞬間は突然やってきた。

 

小さな前アタリから始まった前兆。その直後、弓を引くようにしなやかに海面へ吸い込まれていく穂先。

 

よく、3段引きを待てなんて言うけど、そんな余裕はない。突然の襲撃に必死になって、一気に巻き上げる。バランスを崩さないように、慎重に。

 

上がってきたのは、憧れの縞々模様が立派なイシダイだった!

 

イシダイを象徴する七本縞をゲットできて嬉しさが込み上げました。心も体も震えるイシダイ釣り、どんどんのめり込む一方で、もう後戻りはできません(笑)

 

早い時間に本命をゲットして、満足。

その後、余韻に浸る。また釣れるだろう。今日はもっと釣れるだろう。

そんな甘い考えの私に、イシダイは気づいてか気づかずか、、、

 

魚信が遠のく。

 

いつまでたっても気配はない。そこで、船長に瀬替わりを申し出た。

提案されたのは、名礁『ケバノハナレ』!

そこはまさに、玄人のための特訓場のような磯だった。

 

 

ケバノハナレで手持ちで気合が入っている女性イシダイ師。とはいえ、潮が速くて攻めあぐねてしまいました。次こそは絶対攻略と、リベンジを心に誓いました。

 

沖を向けば潮が動かず、内側を向けば激流。腕を試すには十分すぎる環境だったが、私はまだまだ小娘。それに対応する術を知らない。

アタリをかすかに感じる場面はあるものの、どうにもこうにもうまく行かず、結果断念。元の「タチキリ」へ戻り再開。

小さなアタリを拾っていると、イシガキダイがヒットした。これは、嬉しいお土産。最後に姿を見せたのはオキナヒメジ。

 

海水温が高いときのイシダイ釣りも楽しいです。イシガキのアタリとたくさん出会えるためです。今回も食べごろサイズが遊んでくれました。

イシダイ釣りの外道もいろいろありますが、なかなか珍しいオキナヒメジが顔を見せてくれました。

 

私はまだまだサンバソウ。これからも、大好きなイシダイ釣りの旅は、続く。。。

 

使用渡船=このみ丸(田尻港)

PS
下の2点の写真は、当日の模様をYouTube「上園歩美の釣りチャンネル」でご紹介しており、その中から抜粋したシーンです。動画は前編【https://www.youtube.com/watch?v=bKrRR7QXeT8】と後編【https://www.youtube.com/watch?v=vAZAUY7VtPY

】がありますので、こちらもよろしかったらお楽しみください(^^)