長崎県角力灘に浮かぶ大瀬戸のシンボル大角力は、大迫力の奇岩に圧倒されます。しかし景観だけでなく実績でも圧倒します。毎年大物を数多く輩出し、昨年7月には70㎝5.6㎏(石師魂激闘の記録【https://ishidama.kz-kizakura.com/?p=488】で紹介)が出ており、60㎝クラスならば年間で優に2ケタは超えるでしょう。
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大瀬戸のシンボル大角力。大物の気配プンプンです。
10月10日、デカバンを夢見て大角力を目指しました。どデカいヤツをと気合いを入れながらも実はこの日、大きなミッションがありました。それは私以上に気合いが入っているフタッフまさきちことキザクラ社員の眞崎に、本イシを釣ってもらうことでした。
イシダイ釣りを始めて半年あまりなのに一気にハマってしまったスタッフまさきちは、ある日ポツリと言ったのです。
『負けとるけん、今度はあっか(赤いイラ)とではなく、本イシを釣りたかとです』
『負けてる?』
聞くと、同じくらいにイシダイ釣りを始めた幼なじみは既に本イシを釣っているものの、自分はまだ小さいイシガキしか釣ってないから悔しいとのこと。
焦らなくても今に釣れるよ、と言おうとしましたが、彼のあまりにも思いつめた表情に、ならば本イシ、いやいやどうせ狙うならどデカいヤツ!ということで大瀬戸釣行を計画したのでした。
当日、大瀬戸一帯に渡してくれるRyuseiの柴原船長と相談し、大角力のスベリへ上礁しました。スベリは昨年9月には67㎝のデカバン本イシが釣れている一級磯で、前日には大アタリがあったと言うことでした。
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大瀬戸一帯に渡してくれる柴原船長操るRyusei。
準備を終えると
『昨日の大物が口を開けて待ってるかもしれんけん、先に仕掛けば入れんね』と促します。
『ありがとうございます。ではお先に』
上げ潮がわずかに右へ流れています。
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上礁したスベリ。足場が悪く狭いのでふたりまでの竿出しが理想。
スベリは急潮が走り、それをいかに克服するかが大きなカギになります。潮止まり前後の緩みをいかに攻めるか、が肝心です。
当日は干潮が4時半、満潮が11時頃。釣り開始時は上げ潮がまだ勢いを増していませんでした。
今がチャンスなのです。
彼はガンガゼ2個付けた仕掛けをカウンター26に落ち着かせました。スベリは足元からドン深で、竿1本先に振り込むとスーッとその程度入っていきます。
6時20分、この時点ではまだオモリ25号でも仕掛けは十分落ち着きます。
ほどなくアタリが出ました。
朝の1投目、いい感じに穂先がお辞儀をします。するとグっ、グっと押さえていき一気に突っ込みました。
合わせのタイミングは、口を酸っぱくして言っているので、遅合わせのイメージはしっかりできています。竿がガブリ込んでひと呼吸おいて竿に乘ったのを確認して渾身の合わせが入りました。
ぎこちないながらもしっかり決まりました。しかし態勢が崩れて尻もちをついてしまいました。座り込んだままのやり取りは主導権が握れません。すぐに立つように言って、格闘が始まりました。
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座り込みから立ち上がると、ぎこちないやり取りながらも魚が浮いてきました。
懸命にリールを巻いて上がってきたのはイシガキでした。願いの本イシではなかったものの石物はやっぱり嬉しいものです。釣果写真を撮るときの満面の笑みがすべてを物語っていました。
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1投目の釣果に大いに感激するスタッフまさきち。
スタッフまさきちに2枚目のイシガキが来たのは、潮がいよいよ速くなった9時を回った頃でした。
磯に横たわったのは先ほどよりひと回り小さかったですが、またまた顏をクシャクシャにして大喜びです。
そして自力で釣った感があり『まさきちスペシャル最高です!』と手作りのオリジナル瀬ズレワイヤーを自画自賛しています。見ると、石師魂寄せ玉ゴム大イエローの間にキザクラの上物用チモトビーズ(ケイムラブルー)を3個入れたものでした。
さらに彼が感激したのは、自分の戦略が成功したこと。
右流れがかなり速くなってきたので、工夫してオモリ35号を2個掛けて計70号でアタリを探り、カウンター15でのヒットでした。まさに技ありの一撃と言えるでしょう。
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1枚目より小さくても技ありの釣果でけに、嬉しさが込み上げる。
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釣りの面白みのひとつは、自分なりの戦略で釣果を手にすること。まさきちスペシャルが功を奏したようです。
スタッフまさきちが3枚目をゲットしたのは12時半。満潮を過ぎてもまだ急潮は衰えず、35号+25号の計60号にしてカウンター15での釣果でした。これまた潮上に仕掛けをうまく入れ、会心の1枚でした。
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3枚目の釣果は、35号+25号の計60号でゲット。
14時に釣った4枚目のイシガキは、右への緩み潮での釣果(当日は下げでも潮は右方向でした)。ガンガゼ2個付けてカウンター18でオモリは30号でした。
イシガキの数釣りも楽しいものです。とにかく彼にとっては、イシガキの大爆釣劇だったため、本イシは手にできなかったものの十分に満足できた1日になったようです。
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感動のブリ上げシーンもだんだんサマになってきたフタッフまさきち。
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4枚目となると余裕の表情。潮の緩みでもオモリ30号を使用。
ちなみに私はイシガキ2枚。3mと離れていないお互いの仕掛けが絡むことがあったので、トラブルにならない潮の合間を見ての釣果(7時40分、13時にヒットし、共にオモリは40号)でした。
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私は潮下で細々と竿を出し2枚ゲット。
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スベリはふたりまでの竿出しが理想。急潮ポイントだけにそれでも仕掛けの打ち返しは難しいの極みです。
今回の釣行は大きな収穫がありました。一番はスタッフまさきちの成長ぶりを見られたこと。竿を構える彼の真剣さを目の当たりにし、イシダイ釣りっていいな、と改めて思いました。
そしてもうひとつは、ついに発売となった石師魂のハリ「牙突(がとつ)石鯛」の威力を実感できたこと。“喰わせて、掛けて、刺す”をとことん追求しこのハリの完成度の高さを皆様にも体感して頂けたら幸いです。
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新製品の「牙突(がとつ)石鯛」。①細耳短軸②抱えたエサや掛けたイシダイをしっかりキープする広いフトコロ③貫通力抜群の強くて鋭いハリ先は、一突きで獲物をとらえる、など理想をとことん追及しています。
スタッフまさきちの目標は年内に本イシを釣ることです。これから水温低下と共にイシガキが減って本イシにアプローチしやすくなります。彼の願いを叶うべく、私もサポートしていきたいです。
目標達成の折には、激闘の記録でご報告致します。
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朝まずめから納竿まで集中力を欠かさなかったスタッフまさきち。大の大人を熱狂させるイシダイ釣りは、まさに魔性の釣りです。
大の男を熱く熱くさせるイシダイ釣り。今後のスタッフまさきちの熱きチャレンジが大いに楽しみな限りです。
(石師魂プロダクトディレクター)