釣果レポート Fild report

最後の最後に待ち受けていたド感動のドラマ

                 レポーター:平山 巧
                釣り場:東京都小笠原諸島 母島
               

年末年始で小笠原へクチジロ狙いで釣行した。

期待に胸を膨らませた26時間の船旅だった。

母島に到着し意気揚々と上陸する。

今回のスケジュールでは4日間竿出しのチャンスがある。

 

しかし東京から南に1050㎞、太平洋洋上に浮かぶ荒磯の洗礼をいきなり受けてしまった。

シケのため初日から出港できなかったのだ。

それでも絶対に釣りはできると信じ、その日を待った。

結局磯に乗れたのは最終日の半日だけ。

わずかな時間だが、すべてを掛けるしかない。

 

急潮に包まれる小笠原母島の磯は、大型クチジロの気配がプンプンです。

切り立った奇岩が印象的な二本岩。この磯ですべてを掛けました。

 

上がったのは姉島の一番南にある二本岩という場所で、ポイントは船着け。

たくさんピトン跡があり、ちょうど潮が左右から流れてきて中央でヨレる

感じで雰囲気も良かったのでそこを釣座に決める。

餌はシロウニ。

カウンターは18〜23を狙うが、コマセが下に届く前にイスズミにやられていたので、最終的にアタリが多い18前後のタナを重点的に攻めた。

下げ潮の真ん中あたりの12時半頃、活性を高めるためシロウニの2個がけを少し潰して投入。

カウンター18で仕掛けが落ち着いた。

少ししてコツコツっと前アタリ。すぐにガンガンと勢いよく穂先を叩いた。
次の瞬間、1mぐらい胴から入るほど激しく押さえ込んだ。

ぐっと我慢していると、一気に竿が三日月のように海面に突き刺さった。

渾身の力で合わせたらものすごい引きが返ってきたが、ロッドパワーに任せて何とか踏ん張る。

必死に耐えながらも徐々に浮かせに掛かる。

 

海面を見てびっくり。紛れもなくクチジロ。最後の最後でドラマが生まれた。

同礁の友人に無事タモ入れしてもらい、今回の釣行の目的を何とかギリギリ最終日に達成することができた。

念願のビッグなクチジロ。シケに見舞われ思い通りにいかない日が続いただけに、感動もひとしおでした。

ずっしりと重いクチジロ。引きも強烈でした。

石師魂タックルも活躍してくれました。これらのアピール度が高いアイテムは、クチジロにも効果的だと実感しました。

72㎝6.3㎏。釣り人生の記憶と記録に残る1枚となりました。

 

磯に横たわったクチジロは、幻の魚と言われるだけあって神々しい風格が漂っている。とにかくデカい。半日だけのワンチャンスに大勝利できた。72cm、6.3㎏。感動が込み上げる。すべての恵みに感謝したい。

今回はエサホルダーのケイムラカラーが有効で、ホワイトマスクの口元を確実にとらえました。それにしても20号のハリが小さく見えます。

記念の歯型。一生の宝物です。

 

タックルは 竿がダイワ幻覇王弓剣544、リールはバーマックス石鯛PEマックスパワー15号を巻いた12シーライン。 道糸に石師魂瀬ズレ宙釣りゴムテンビンイエローを結んだ。寄せ玉ゴム大も魅惑のイエロー。

ハリスワイヤーは7本ヨリ#37に針は20号。そしてエサホルダ―。 オモリは速くて複雑な流れに対応できるように50号をセレクト。

利用渡船は海徳丸

 

・シロウニは小粒だったため針通りが悪かった。そのためエサドリラーで事前に開けておくことで針のセットが楽だった。
・エサホルダーはシロウニのズリ上がりを防いでくれることはもちろん、ホルダーの有無やカラーでアタリがぜんぜん違うので、ホルダーは必需品でカラーローテーションも効果的だと実感できた。

・瀬ズレ宙釣りゴムテンビンは、今回イエローをセレクトすることでヒットに繋がった。

最終日には竿が出せると信じ、最後まで諦めないハートに大海原に浮かぶ母島の女神がプレゼントしてくれたのだと思う。

(東京都在住)