鹿児島県大隅半島内之浦はロケット打ち上げセンターがあり、多くの人が夢を描く場所です。底物師も同じくらいこの地に大きな夢を抱いています。いうまでもなく、70㎝クラスの超ド級が狙えるのです。
名礁会の安部康博さんもそのひとり。
例年、大物を夢見て春先から通い始めいます。そして4月7日(小潮初日)、黒島で67㎝5.3㎏の納得サイズを見事仕留められました。
当日は足元を洗うくらいウネリがありとても釣り辛い状況でした。でも今シーズンの黒島は好調なので大いに期待できました。
足元を丹念に攻めていると、カウンター16で本命らしきアタリがあり赤貝が素バリにされました。
辛抱強く仕掛けを打ち返すとチャンスが訪れると信じて、集中して手返しします。
8時ごろの上げ止まりでした。
赤貝の粗割り7個掛けでアタリを待っていると、本命らしい反応がありました。
身構えていると、フッと軽くなった(喰い上げた)感じで糸フケが出ました。
もしや!?と緊張が走ります。
安部さんはここで、糸フケを取るためにリールを巻かずに、
手持ち斜めに構えていた竿をゆっくり水平にし、違和感を与えないように仕掛けの張りを保ちました。。
経験上、こんな不気味なアタリ方は大物の仕業が多いため、臨戦態勢に入ります。。
案の定、足場を固めた次の瞬間、一気に竿が突っ込みます。
渾身の合わせが入り大格闘が始まりました。
想像以上の強烈なシメ込みに襲われます。
でも先手を取った安部さんが常に主導権を握り、ノサれそうになりながらも大勝利を収めます。
磯に横たわったビッグな銀ワサをまじまじ見ると、久しぶりの納得サイズ。心から嬉しさが込み上げてきたそうです。
それからも本命らしいアタリはあるものの進展はなく、納竿となりました。
翌日も大物期待で同瀬を攻めます。
ところがこの日、潮がほとんど動かずお手上げ状態。
『1日で瀬の表情がコロっと変わりますよね。これだからイシダイ釣りは面白いというか、やられないんですよ』。
黒島は、以前石鯛酔狂会の坂元孝司さんが72㎝のトロフィーを仕留められているように(激闘の記録でご紹介https://ishidama.kz-kizakura.com/?p=587)、
大物の実績が高い名礁。まだまだドラマがきっと待ち受けているはずです。いや黒島に限らず、このデカバン地帯には、どの磯にも夢を掴める可能性は十分あります。
次に千歳一遇の好機をものにするのは、チャレンジャーのあなたかもしれません。
(石師魂プロダクトディレクター/武富)