2021年12月29日、釣り納めは五島に。
同行は『年内には本イシを釣りますばい!』と意気盛んに釣行を重ねてきたキザクラスタッフまさきちこと眞﨑克久君。イシダイ釣りに燃えて燃えていますが、イシダイ釣り歴は1年以内でまだイシガキしか釣ったことがありません。
『今日こそは目標達成ですばい!』と、相変わらず気持ちいいほど前向き。
ラストチャンスのステージが五島とあって、いつもよりのぼせ上り、お世話になる丸銀釣りセンターのマリンアスリートに乗り込む前から、もうすでにヒートアップ。
久幸船長が着けてくれたのは、椛島の鷹ノ巣崎。ふたりで上礁し、寒さに耐えながら夜明けを待ちます。
この瀬は足元から切れ落ちており、両潮狙えて4~5㎏のワンチャンスは十分あります。
釣り座は先にスタッフまさきちがAに決め、私がBに構えました。
当日は、朝10時頃が干潮。
最初は瀬ズレ宙釣りゴムテンビンに20号のオモリをセットした仕掛けでアタリを探ります。エサはヤドカリの1匹掛け(当日のエサはヤドカリとガンガゼを用意)。
カウンター10で仕掛けを右側の張り出し根のカベに落ち着かせます(海面まで5mほどなので水深的には5mほど)。
予想通り下げは右流れ。スタッフまさきちは、うまく仕掛けを安定させる所がないためちょっと速い潮に手を焼いています。
魚の気配があるものの、エサ盗りのようなので徐々にタナを下げていきます。
その間にウニミンチを小さいダンゴ状にして、ポツリポツリと足元のポイントへ投げ入れます。
しばらく手返しをすると、ヤドカリよりガンガゼの方に反応が良かったので、2個掛けにワレを入れてカウンター18を中心に攻めます。
ガンガゼを好み穂先を叩く相手は、どうやらイシガキのよう。
誘ったり送り込んだりしますが、食い込みそうで最後の走りがありません。
そこで仕掛けを変更することにしました。
瀬ズレなしでプロトタイプの小粒テンビンに12号のオモリをセット。
そしてジョイントホルダー、寄せ玉ゴムもたくさん付けて、仕掛けをできるだけ直線的にして、しかもアピール力をアップさせました。
とにかく違和感なく食わせようという戦法。
もし、突然デカいのがエサを横取りして大格闘が始まっても、逃げる方向は予測がつくし、いよいよの時はハンドルドラグリールを逆転させてラインを出しながら応戦すれば、何とかなると思いました。
数投後、狙いすませたように穂先が食い込み合わせを入れてやり取り開始。
案の定、右の張り出し根へ突っ込もうとします。難なく交わし左へ誘導し、一気に上げて宙を舞ったのは可愛いイシガキでした。
リリースサイズでしたが、牙突石鯛14号がしっかりジゴクを捉え、軽オモリ釣法で攻めて攻めて食わせた感があったので、納得の1枚となりました。
もちろん獲物は大物にこしたことはありませんが、プロセスを楽しむのもイシダイ釣りのだいご味だと思います。
釣果の動画はここを👉クリックして頂くとご覧になれます。とは言え、やっぱり本イシの顏が見たいものです。もうイシガキはいいので、本イシが好きなヤドカリで打ち返します。
やがて待ちに待った上げ潮に変わりました。
というのも、一昨年₍2020年)の3月20日、右に見える鷹ノ巣灯台で竿を出した際、上げに変わると惚れ惚れする当たり潮が突っかけてきて、良型本イシをゲットできたのです。その時も同じ若潮だっただけに、いやが上にも期待が高まります。
辛抱強く打ち返していた12時10分。カウンター17でヤドカリを押さえ込む魚信。イシガキやイラとは違うような手応え。アタリに集中します。
テンションを掛けながらその気にさせると、一気に突っ込みました。確実に竿へ乗せて合わせてのやり取りです。
しかし磯に横たわったのは想定外の相手でガックリ。トボケタ顏のサンノジでした。でもおちょぼ口の口元を牙突石鯛がしっかり捉えていたのでヨシとしました。
これからいよいよ活性が高まるかも。魚の気配がないスタッフまさきちに釣り座を譲り、私はCへ移動して遠投で沖めを狙います。
しかし惚れ惚れする上げ潮は入ってきませんでした。
結局納竿までに、お互いに一回ずつ、本命らしきアタリがあっただけで釣果を手にできませんでした。
2021年、希望に満ちていたスタッフまさきちの目標は叶うことはありませんでした。私も、何とか本イシを釣って欲しかっただけに残念です。
でも当の本人は『来年は一発デカいの釣りますからね。初釣り、いつ行きます?』と、意気消沈した様子はなく、すでに大きな夢が広がっていました。
行っても、行っても釣れないのがイシダイ釣り。それでも釣り場へ足を運び続けるタフさがこの釣りには必要です。スタッフまさきちは、この釣りにとっても向いているようです。
(石師魂プロダクトディレクター/武富)